一年間、派遣で介護の仕事をしていました。
久しぶりに書いている。
去年の三月から今年の三月まで、派遣で介護の仕事をやっていた。
最初は、病院で看護助手として働いていた。無資格、未経験で入ったから、仕事についていくのに必死だった。
以前にリハビリデイサービスで主にマッサージをする人として働いていた事はあったけど、食事、入浴、排泄の介助はやったことはなくて。
私が登録した派遣会社は、無資格、未経験だと給料が良いところは看護助手以外に無かった。
あの時は、ハローワークの職業訓練で実務者研修を受けようか迷ったけど、派遣会社で実務者研修が無料で受けられるし、どうせ仕事で現場で学ぶ事の方が役に立つだろう思って、とりあえず働く事にした。
実際、現場でしか教わらない事はたくさんあったと思う。
オムツだけどトイレに行きたがる人を宥めるのは、スクールで学ぶのかな?
そして私は、その宥める事が苦手だった。
病院では、未経験者で医療知識の無い私に、厳しくも真面目に仕事を教えてくれた。
特に、食事や入浴の介助は、看護師がしっかりと教えてくれた。
排泄の介助も、先輩ヘルパーがしっかりと教えてくれた。
なかには、ただただ口調がきつい、怒ってるだけの人もいたけど。
でも、看護師に教わる事なんかめったにないし、良い経験になったと思う。
看護助手の仕事は、半分以上が雑用だったし、その量が多すぎて走り回ってた。
廊下が広かったから、ナースコールが鳴って廊下に誰もいない時なんかは本気で走って行ってたなぁ。それで走り出した瞬間にポケットからピッチとかメモ帳をよく落としてたっけ。
一回教えられた仕事はもう一度聞いたら怒られてたから、メモもよく取ってた。
仕事帰りにカフェに行って、メモ帳を分かりやすくまとめたりしてた。
夜勤に入りだした頃、夜勤明けに師長さんから話があると言われ、
(夜勤明けで頭が回ってなくて、話の内容は頭に入ってなかったと思う)
「あなたの信念を忘れないでね。」とか言われたことがあった。
俺は内心では、ふざけんな!信念なんか持ってたらこんな所では働けねぇよ。
って思ってた。
自分の信念とか捨てるから、ここのやり方に必死でついていけんだよ。
病院で働いて半年経った頃には、介護の仕事を始める前の想いとか、すっかり忘れていたと思う。
働きだした最初の頃は、患者さんに愚痴られる事があった。
「夜勤の時のナースさんやヘルパーさんが怖いのよ、怒られるから」
ってよく言っていた患者さんを覚えている。
最初の一ヶ月は、先輩が指導についてくれてたから、仕事に余裕があって、患者さんの愚痴を聞く余裕があったのだろう。
一ヶ月経った頃には一人で入るようになり、業務をこなすのに精一杯で、患者さんの愚痴を聞いてる余裕なんか無くなってた。
病院で働きだして五ヶ月経った頃、更新するか(今の病院で続けるか)迷ってた頃に、とある患者さんに言われた事がある。
その人は、自立に近い状態で入浴の時は見守りだけでよかった。
その人が、入浴の最後の順番に一人で入ってた時に、話しだして、
「聞いた話なんだけどね、前に入院してた病院に刑務所に入ってた事がある人が居て、その人が言うには、病院は刑務所よりきついって…」
俺は確かにそうかもなって思った。自由が無いっていう点では刑務所よりきついのだろう。
命を守るため怪我をさせないように患者さんの行動を制限するところは多々あったし。
入浴の時に、普段は話さないような話をする患者さんは多かった。
入院してる部屋はほとんどが四人部屋だったから、入浴時に一人になって話せることもあったのだろう。
入浴は、主にナースとヘルパーの二人でやっていた。順番が最後の患者さんなどは、ヘルパーが一人でも大丈夫な状態の人が多くて、ナースが「後はまかせてもいい?」と先にフロアに戻る事が多く、最後はヘルパーが一人で残る事が多かった。
後片付け、記録などやることはあったが、その時間だけはナースコールからも解放され、勤務中で唯一、一人になれる時間で俺はその時間が好きだった(笑)
五ヶ月経った頃、更新を迷っていた。この病院での仕事は、介護よりも監視に近いなと思っていた。
看護助手の仕事をずっと続ける気はなかったけど、ここのスタッフにはお世話になったから、もうちょっと続けようかと思っていた。
けど、患者さんの話がきっかけになった事もあり、病院は辞める事にした。